文化財詳細

宋版大般若経

宋版大般若経

そうはんだいはんにゃきょう宋版大般若経

町指定(昭和48年年2月7日指定)

種類
書籍
時代
江戸時代

折本で452巻が現存する。大般若経は大乗仏教の初期の経典で唐の玄奘が4年の月日をかけて訳したものであるが、学問の興隆とともに需要が多くなったため、中国の宋時代(960~1275)に盛んに出版された。それらは留学僧らによって日本にもたらされ尾羽寺にも納経となった。宋版のものは校正の厳密さ、刊刻の優秀さ、用紙の良さなど内容形態ともすぐれたものが多く歴史上最良の書籍といえる。それらは「享保二十一年四月十七日」と記載された縦68㎝、横145㎝、深さ65㎝の大箱の中に、縦15㎝、横32㎝、深さ15㎝の小箱の中に10冊1組となって48箱がぎっしり詰まって厳重に保存されている。また小箱の外側には千字文が1字ずつ漆で書いてあり通し番号としている。巻末には「磧渚破屋室孤篷道人陸浄徳書 陳秀刊 大檀越成忠趙安国一力刊 游明刊 葉元刊」とあり、また「下野國尾羽寺」の押印がある。円通寺の良栄上人や東京小石川傳通院の了誉上人などがここで研讃したという。

参考:『益子町の文化財』

所在地
大字上大羽945-1
所有者
地蔵院